企業向け「サイバーリスク保険」、東京海上日動火災保険が発売

   

東京海上日動火災保険は、企業向け新商品「サイバーリスク保険」を2015/02/09より発売開始した。

新商品は、事業活動を取り巻くサイバーリスクを1契約で包括的に補償する総合保険で、企業が不正アクセスやサイバー攻撃を受けた場合に、その対応のためのフォレンジック調査等に関する費用(危機管理対応費用)や、実際に発生した情報漏えい等に起因して提起された損害賠償請求訴訟に関する賠償金・争訟費用等を補償するもの。

近年、日本企業が海外から不正アクセスやサイバー攻撃を受けるケースが急速に増加し、日本においても、海外と同様、サイバーセキュリティ対策が差し迫った課題となっている。

しかし、攻撃側の手法が次々と進化するあまり、事故防止対策だけでは十分でなく、セキュリティ事故が発生してしまった後のダメージ・コントロールのための態勢作りがすべての企業にとって重要になっている。

東京海上日動火災保険としては、企業を対象に本商品を広く提供し、サイバーセキュリティ対策の一環として利用されることを目指している。

サイバーリスク保険、発売の背景

総務省の「平成24年度 通信利用動向調査」によると、日本企業の約4割が何らかの形でサイバー攻撃を受けているなど、サイバーリスクは、企業の経営リスクとして無視できない存在となりつつある。

しかしながら、不正アクセスやサイバー攻撃の手口は年々、多様化・巧妙化が進んでおり、セキュリティ対策のためのIT投資を行ってもサイバーリスクを完全に排除することは困難であると言われている。

また、自社システムのセキュリティを強化したとしても、取引先や関連会社等、ネット接続している先を経由して侵入されるおそれがあるため、これらの関係先を含めた総合的なセキュリティ対策を講じないと事故を防ぎきれないというサイバーリスク固有の事情もある。

こうした状況は諸外国においても同様であり、米国では既にサイバーセキュリティ対策の一環として保険を利用する動きが広がってきている。

日本においても、個人情報漏えいのリスクを補償する保険が以前より販売されてきたが、既存の保険から保険金が支払われるのは、実際に情報漏えいが発生するか、またはそのおそれが対外的に公表された場合に限定されているなど、制限的な補償にとどまっていた。

そこで、東京海上日動火災保険では、先行している欧米の例を参考にしてより広い補償内容の新商品を開発し、企業のセキュリティ対策の一助として活用できるよう提供することとなった。

サイバーリスク保険の特徴

(1)事業活動を取り巻くサイバーリスクを1契約で包括的に補償する

不正アクセスやサイバー攻撃によるリスクは、(1)情報漏えい等に関する賠償リスク、(2)システムへの侵入経路を調査するフォレンジック等に関する費用リスク、(3)データが損壊されたことに関する修復リスク、(4)ネットワークが停止・中断したことによる休業リスクといったような幅広いリスクが想定される。サイバーリスク保険では、これらのリスクを1契約で包括的に補償対象とすることが可能。

(2)実際に情報漏えい等が発生していなくても危機管理対応に必要となった費用を補償する

企業が不正アクセスやサイバー攻撃を受けたことによって、その対応のために支出した各種対応費用(原因・被害状況の調査、証拠保全等の危機管理対応費用)も、支払限度額や補償割合等の一定の条件のもとで補償する。

(3)海外で提起された損害賠償請求訴訟についても補償する

個人情報漏えい保険等の従来の商品では補償対象外となっていた海外における損害賠償請求訴訟に関する賠償金・争訟費用も補償する。

(ご参考)
東京海上グループのフィラデルフィア社(米国)とキルン社(英国・ロイズ)では、海外マーケットにおいて欧米企業向けにサイバーリスク保険(英文約款)を先行販売しています。本新商品は、これらのグループ会社による販売実績を参考にしつつ、日本企業の皆様にご加入いただきやすい内容として開発しました。

 -損害保険,

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